し………ん……────
私が部屋にはいるなり、皆が私を凝視した
周りはどれも知らぬ顔ばかり
私は、江戸城で暮らしていたものの、大奥とは離れた、とても静かな所で生活していた
私の心臓が悪いからだろう
周りを見渡すと、一番奥の目立つ所に、私の母上様である実成院がドカッと座っていた
そして、私の姿を見るなり
「まあ〜…風珱!!よく来たのぅ……早くこちらにきなさい」
「はい……───」
私が歩きだすと、周りが少しざわついた
私が何物か知らない彼女達は、母上様と親しい私を何者かと目を凝らして見ている
私が母上様の隣に座ると、母上様は私の肩をポンポンと叩いた
「これは、私の愛娘の風珱じゃ…少し体が弱いのじゃが、よろしくのぅ」
すると、彼女達は納得したようにうなずいた後、ぱっと顔を明るくした
すると、早速近くの美人さんが口を開いた
「風珱様…わたくし、紫水と申します……どうぞよろしくお願いいたします」
「はい……こちらこそ」
すると、紫水さんは満足気に微笑んだ


