その頃、将軍一行は………────










孝明天皇と面会していた



「家茂公……桜鈴姫はつれてきたのか?」



「それが……」



言葉を濁す家茂



孝明天皇が言う、【桜鈴姫】とは、風珱のことだろう



本当は連れていくと天皇にも言ってあるし、途中までいた



でも、



「途中の山道で、何者かに連れ去られたか…………自ら逃げたかで………」




「では………居なくなったと言うことか?」



目を丸くさせて驚く天皇



「聞くに、桜鈴姫は桜のように美しく鈴のように綺麗な声を持っていて、剣の腕も相当たつと……それは真か?」


確り頷く家茂