「風珱……こんな事で良いのか?」



私は、頷いた




「芹沢にとっては当たり前の事かも知れませんが、私には夢の様な事なのです………私には、命を賭けても良いほどの価値があるものなのです」


すると、芹沢はまた豪快に笑った



「そうかそうか!!……やはり、風珱は面白い!!………この夢、儂が叶えてみせよう」


私は、芹沢の事を少し勘違いしていたみたいだ



確かに、自分勝手で自由奔放だが、そのぶん器が大きく、優しさをもった人だった



私は、この人に会えて良かった




心からそう感じた



すると、芹沢が不意に立ち上がった


「そろそろ日も暮れてきた、八木邸へ行くか」


「はい」



私も立ち上がり八木邸へ向かった



今回は、担がれることなく、無事に自分の足で歩く事ができた



私は、太刀と風呂敷を握りしめ、芹沢のあとを着いていった