────翌日



「ふわぁ……こ、腰が痛い」

今朝の目覚めは最悪だった


いつも、極上のふかふかの布団で寝ているだけあって、ここのペラペラの布団は腰にきた


私は着物を整え、ついでに髪も綺麗にし、簪をつけなおした


そして、太刀と風呂敷があるのを確かめ、そして初めて部屋を見回すと……


「す……───」


知らない男の人が、机に突っ伏して寝ていた



もしかすると、この部屋はこの人の部屋だったんでは……



申し訳ないことをしてしまった……


「すぃませんでした……」


私は小さく呟き、起こさないように静かに部屋をでた



……つもりだったが


「んん………」


起こしてしまった


「すみません……騒がしくしてしまいました……」


私は思わずというか、普段の癖というか……


正座をして、俯いた


「あぁ……かまわねぇよ……」


男の人はそう言ってこっちをむいた

そんな男の人に、私は思った事を素直にきいた


「貴方がトシさんですか?」



「トっ……ま、まぁ……確かにそうだが……」


「やっぱり!!私は風珱と申します。よろしくお願いいたします……トシさん」


「なっ……ト、トシ、さん」

私の言葉に、眉をピクピクと動かすトシさん


「トシさん?どうされたのですか?」


私が尋ねると……


「……ぷっ……あははははははははははは!!ト、トシさんですって!!ぷっあははははははははははは」


「総司……てめぇ」


突然後ろから笑い声が聞こえたので、思わず振り返ると、背が高く、長い髪を後ろにまとめた男の人が、笑い転げていた


私、なにかおかしい事を言ったのかしら?


私がポカンと男の人を見つめていると、男の人は目をキラリと輝かせてこちらにきた


「貴女は風珱さんと言うんですね?僕は沖田総司と言います。こんなトシ何かに構わずに、早く朝餉きいきましょう」


「へ?で、でも、朝餉を頂いていいのですか?」


すると、沖田さんはにっこり笑った


「もちろんですよ?さっさ、いきましょう」


そう言う沖田さんに連れられ、私は昨日の広間に連れて行かれた