がやがや……──
ガヤガヤ……ガヤガヤ……
「こ、ここは………──?」
夕焼けに照され、目の前の紅い大きな門が、より一層紅く見える
門の奥には、沢山の店が連なり、紅い提灯があちらこちらと、つき始めていた
随分と綺麗な町だ
そして、よく見てみると、町には、男しかいない
私がぼぉーっと町を眺めていると………
「お嬢さん?こんな所でなにしてるんでおすか?」
声のするほうをむくと、綺麗な着物をきて、頭を豪華に結った、綺麗な方がたっていた
「あの………つかぬことをお伺いいたしますが、この町はなんという町なのですか?」
それを聞いて、美人さんは目を丸くしたあと、上品に笑った
「ふふっ……お嬢さんは面白いことを聞きんすね……ここは、天下の色町……”島原”でおす……」
島原?
聞いたことがない
「失礼ですが、お名前は?あと……ここにすんでおられるのですか?」
すると、美人さんは嫌がるでもなく、きちんと答えてくれた
「あちきは、天神といいんす……ここの、角屋という所で働いていんす」
天神さんに名を聞いておいて私が名乗らないのは失礼なので、自己紹介をした
「私は、風珱と申します……所で、天神さんは、なんで門から出ないんですか?」
すると、天神さんは少し悲しそうな顔をした


