桜鈴姫†出逢ひの刻†



そんな私の思いは、日に日に強くなっていった



あれから年が明け、文久3年、如月



まだ寒さはすこし残るが、庭の雪もとけ、春が訪れようとしていた


そんな今日この頃


そんな何気ない日に、転機は突然訪れた


時は、遡ること数刻前


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇





「上洛!?さようでございますか!?」


私は、和宮様のお部屋をお訪ねしていた



そこで聞いたのは、何と、今年の弥生の4日に、兄上が上洛するとのこと



上洛は、第三代将軍徳川家光様以来となる



それ故に、和宮様も驚かれていた


「なんだか、私の兄上が、挨拶にこいとうるさいみたいで……──困ったものだは……──家茂様に申し訳なくて……」


本当に心配そうな顔をする和宮様を見て、兄上がどれだけ愛されているのかがうかがえる


「大丈夫ですよ……兄上はそんなにすぐには死にませんよ」


それでも、浮かない顔の和宮様をみて、やっぱり私の心配はいらないと確信した