年も明け、文久2年、師走


息を吐けば、白い煙となって空中に消えていく


今日は、城に会津藩主の、松平容保と、京都所司代の代表者が来ると言うことで、兄上だけではどうも心配なので、私も同行させてもらっていた



「失礼します……風珱でございます」


私が部屋に入ると、兄上と、知らない男二人がいた


「………っ……あなた様は?」


なぜか私を見て息を飲む男

そして、もう一人の男にはじろじろと顔を見られた



まったく、なんて無礼者なのでしょう



私が怪訝そうに男達を睨むと、それをみた兄上が


「ふ、風珱……一旦こちらに」


と、情けなく言った


これくらいで焦る何て……


大丈夫かしら


そんな事を考えながら、私が兄上の隣に座ると、兄上は顔をキリッと切り替え、将軍らしい堂々たる態度で話を進めた


「二人とも、これは儂の妹じゃ……知識もあり、出来た妹じゃ……だから、このばにたちあわせているが、いいかのぅ?」


すると、男二人は頷いた


「そうか、では本題に入ろう」


「「はい」」


すると、兄上は確りと男達を見据えた



「松平!!…お主を、京都守護職に任命する」

「ありがたき幸せっ」



そういって、松平は頭をさげた



京都守護職とは、京の治安を守る大切で大変な仕事だ


それ故に、信頼にあたる人物にしか任せられない



この、松平容保という男は信頼にあたるのだろう



「では、二人とも、今日は下がりなさい……松平は、適度に使いをよこして、報告をするように」


「御意」


それから、暫しの間世間話をしたあと、「「失礼しました」」


と、二人はきれいに声を揃えて部屋を出ていった