母上様は昔から自由奔放で、私たちが江戸城に来てからもよく遊びなんかに来たりしていた



まぁ、来てはドンチャン騒ぎをして、強制退場だ


勿論、騒ぐのは大奥で、大奥の女たちは母上様がいらっしゃるときぐらいしか楽しめないので母上様は好かれていた


でも、大奥の風紀取締役の滝山さんとは、犬猿の仲で、顔を会わせてはケンカ、ケンカ



それに、いつもは一人称が「儂」で


「〜じゃ」・「〜のう」


など、独特な話し方をする母上様は、キレるとさらに独特な話し方をする



では、滝山さんとのケンカの一部始終を再現しましょう



†ケンカその一†


これは、母上様が、兄上が将軍任命の少しあとに、祝と言うことで、城に来たとき……───




母上様がいつものようにドンチャン騒ぎをしていると、滝山が入ってきた



「実成院様!?まったドンチャン騒ぎですか?……まったく、将軍の母上がこれではねぇ……?きいてあきれます」



「なんじゃと!!妾(わらわ)にむかってなんという口の聞き方じゃ!!無礼者めがっ!!」


「ああ、怖いですねぇ……おお怖い……しとやかさのかけらもない」


「たわけっ!!こんの狐が!!」


「きっ、狐!?なっなにをいう!!こんの猿が!!」


「なんじゃと!!狐!!」


「猿!!」



「狐っ狐っ狐っ!!」



「猿っ猿っ猿っ!!」



「狐っ狐っ狐っ狐っ……



「猿っ猿っ猿っ猿っ……