大奥の女の部屋の中でも、ひときは豪勢な部屋に、和宮様はいらっしゃる



私の部屋と、大きさは同じぐらいだが、中身や外見は私かお願いして、質素な物にしてもらっている



でも、和宮様のお部屋は惜し気もなく豪勢にしてあって、この私でも少し威圧された


「失礼します……家茂の妹の風珱でございます」


すると、中から綺麗な声が聞こえてきた


「まぁ……───御入りになってください」



私は一礼して部屋に入った


すると、やはり中身も豪勢で、威圧感が半端ではなかった


私がまわりをキョロキョロしていると、


「風珱さん?こちらへどうぞ」


と自分の前の座布団を指した


「ありがとうございます」


私は座布団に座り、和宮様のお顔を改めて見た



やっぱり御美しい……──



「あら?そうかしら?」


「へっ?」


思わず変な声を出してしまった


すると、和宮様は上品に笑った


「ふふっ……心の声が漏れていますよ?……でも、わたくしは貴女の法が断然綺麗だと思いますよ……───」