あれから日にちはたち、今日は和宮様が京から江戸城に御到着なされる日

城は朝から騒がしい



もちろん私も



朝から気付けをし、髪をいつもより綺麗に結い、化粧をして、朝から和宮様が御到着なされるのを、兄上と待っていた





大分日も昇り、和宮様の御到着の時刻となった


私は兄上を横目で見ながら


「兄上、しっかりと……──」


それを聞いた兄上は、こちらを見ずとも、確りと頷いた


それを確認すると共に、じぃの声が響いた



「和宮様が御越しになられました……────」