それから、少し歩くと…
「……綺麗」
綺麗な簪が置いてある小物屋さんがあった
私が見ていると、錦さんは
「見てく?」
と言ってくれた
「はい!!」
私は、沢山の小物の中から、一つの簪に目を奪われた
「綺麗……」
桜色で、白い真珠がついている、素朴な物
今、私がつけている、金色の豪華で高級な簪の、何倍も綺麗に見えた
手にとって見ると、やっぱり素敵だと思った
「すいません、店主さん」
私が呼ぶと、中から
「はぁ〜い」
とふくよかな女の人がでてきた
私は、自分の髪から高級な簪をとり、桜色の簪をつけた
「この簪と桜色の簪を交換してくれませんか?」
すると、店主さんは驚いた
「こ、こんなに高値な簪、比べ物になりません」
「あの、交換…できませんか?」
すると、店主さんは首をブンブンふった
「いえいえ!!こんな高級な簪、充分すぎるくらいです……おおきに、またきてください」
私は、ありがとうといって錦さんの所にいった
「お待たせしました」
「風珱ちゃん、言ってくれれば買ったのに」
そんな錦さんに私は首をブンブンふった
「そんな、悪いです」


