いつまでも



ボーっと窓の外を見ていると終わりのチャイムが鳴った。

「起立、礼」


急にざわつき始めた教室を舞にもバレないよう出て行った。


特に何をするわけでもないのだが、なんとなく廊下に出たくて、なんとなくトイレに来ていた。

「はあ……」


最近こればかりの私は、すごく浮かない顔をしてる。

何をしていても、虚しさを覚えて、世界が灰色一色に見えるのだ。

もう一度重いため息を着いてトイレを後にすると前から舞が走って来ていた。

「晴っ!!捜しちゃったよー!!」

可愛らしい笑顔を私に向ける彼女を見ると、何故か落ち着いた。

「ごめんごめ「あ!!!!」」

私の言葉を遮り言葉を発した舞は、私の後ろを見ていた。

「ちょっと舞っ、人がせっかく謝ってん…の、に…」

振り返ったその先には、

―――相葉優哉、


「優哉先生だっ!!」

舞は、いきなり名前で彼を呼ぶと軽く挨拶をする。

「おはよ」


……あれ、この人…。
今……。

「きゃあ!!おはよだって!!晴、聞いた!?」
「う、うん。」


私たちの横を、乾いた笑顔を残して通り過ぎた背中を見つめる。


…泣いたような目だった。
助けてと言った気がした。

……気がしただけか………。


「戻ろ〜!!」
「うんっ」


気にする必要なんて、ないよね。


一瞬、何故か胸が痛んだけど気づかないふりをした。