しばらくして泰樹くんがやって来た。

「美緒元気かぁ?お兄ちゃん来たぞ。」

泰樹くんは優しい表情だ。

「わぁ。お兄ちゃん。その風船どうしたの?」

泰樹くんは青い風船を持っていた。

「道歩いていたら、貰ったんだよ。嬉しいか?」

「うん。お兄ちゃんありがとう。お姉ちゃん来てるよ。優美お姉ちゃん。」

泰樹くんは私を見ると顔を真っ赤にした。

「なんで優美いるの?」

私は泰樹くんの顔を見て笑ってしまった。

「お見舞いに来たの。良いでしょ?泰樹くん顔真っ赤だよ。」

泰樹くんは嬉しそうに

「ありがとう。お見舞いに来てくれて。」

美緒ちゃんも嬉しそう。

美緒ちゃんは点滴をしていて安静にベッドの上に横になっている。

「妹はいつ退院できるの?」

何気なく泰樹くんに聞いてみた私。

すると泰樹くんは暗い表情を見せた。

「ちょっと外出よう。」





病院の外に出た私と泰樹くん。

「美緒なんだけど…退院まだずっと先みたいなんだ。最初体調悪くてさ美緒。」

私は少しうつむいた。

「ごめんね。美緒ちゃん大丈夫なの?」

泰樹くんは悲しい表情をしていた。

「病院の先生から言われたんだよ。美緒は重い肺炎だから長くは生きられないって。」

私はショックを受けた。

ショックで言葉が出ない私。

本当に辛いのは美緒ちゃんなのに…