ロシアンルーレットⅢ【アクションコメディー】

「とりあえず、今わかってる分だけでもくれよ。どうせ俺、今後はあんたにこき使われるんだろ?」


「察しがいいな、美少年」


また俺をからかって笑う。

本当にこの男、心底ムカつく、嫌いじゃないけど。



「漆原は、『青竜会』のフロント店であるストリップバーの経営を任されている。大金を手にしたら独立しようと企んでんだろうな。

蜂須賀に関しては、全くもって不明。前科はないし、名前も偽名だから、全く上がってこない。石原の話じゃ、超がつく美形だそうだ」



――あいつだ。


俺の脳裏に、あの薬局で意識を失う寸前、俺を冷ややかに見下ろしていた男の姿が鮮明に蘇る。