「――という訳だ」
言って、窪田はジャケットのサイドポケットから、タバコを取り出してくわえた。
窪田に連れられてやって来たのは、俺の職場の会議室。せっかくの休日なのに、くそっ。
さっき谷口さんに会って、「お前、休みじゃねぇのか? 随分仕事熱心じゃねぇか」などとからかわれるし。
野獣め、事情全てを知っているくせに。命狙われて、休日満喫するどころじゃないしね。
そして、
窪田は窪田で、肝心要の部分には一切触れずに、全て話し終えた風な顔で、満足気に紫煙をくゆらせている。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
設定されていません
読み込み中…