蜂須賀は舌打ちすると、


「鶴崎、てめぇ……」


と、苦々しく顔を歪める。


すかさず龍一は続けた。


「なぁ、あんたたち、金になる話があるんだろ? そういうところには、色んな輩がハイエナのように自然と集るからな。俺を使わないか?」


「信用できねぇ」


蜂須賀は龍一を睨みつけ、吐き捨てるように言う。


途端、龍一は蜂須賀が銃を握っている方の手首を左手で掴んで捻る。こぼれ落ちた銃を、右手で難なく受け止め、それを蜂須賀に向かって構えた。



「てめぇ、やっぱり……」


蜂須賀が悔しそうに唸ると、


「まぁいいから。とりあえず、そのまま10歩さがれ」


言って、龍一は悪戯っぽく笑う。



蜂須賀がしぶしぶ従うと、今度は銃を下ろして鶴崎にその筒先を向けた。