ロシアンルーレットⅢ【アクションコメディー】

「だから俺はモテねぇっつってんだろ」

ガタリと椅子を鳴らして立ち上がり、蜂須賀は石原の胸倉を掴み上げる。


至近距離で睨み付ける蜂須賀に、石原は涼しげに返した。


「そんなはずないじゃないですか。蜂須賀さんほどの美形なら、女なんか選り取り見取りでしょう?」


「うぜぇんだよ、そういうのは聞き飽きた。何が美形だ、ふざけんな」


言って、石原を後方へ突き飛ばすようにして、胸倉から手を離した。


耳をつんざくような大きな音を立て、石原は椅子ごと転倒した。



「おい」

とすかさず漆原が制す。