日中のストリップ劇場は、ガランと静まり返っている。
夜の喧騒に比べたら、まるで別世界だ。
何かある毎に組織の構成員は、漆原が経営するこの店に集められる。
が、今日は店には漆原と蜂須賀のみ。ステージ横のテーブル席に、二人は向き合う様にして腰掛けていた。
漆原がいち早く石原の到着に気付き、左手を頭上に掲げ、
「よう、早かったじゃねぇか。まぁ座れ」
と、右隣の椅子を引きずり出した。
漆原はずんぐりとした小柄な男。無駄に色が白く、だが、毛深い。
正確な年齢は石原も知らないが、恐らく40代後半だろう。
どう見ても女が好みそうな容姿ではないが、女に苦労はしていない。
金に群がる女は多い。



