ロシアンルーレットⅢ【アクションコメディー】

「へぇ……」


蜂須賀が言わんとしていることが全く読めず、石原は短く相槌を打った。



「五十嵐、あいつも近いな」


石原の背筋を冷たいものが伝った。



五十嵐とは、蜂須賀のマンションで鉢合わせした男だ。


蜂須賀は、石原が五十嵐を消そうとしていることを、勘付いている。



「そうですか。彼とは仲良くなれそうだったのに……。残念だな」


石原がそう言うと、蜂須賀はフッと鼻を鳴らして笑い、


「それと、お前もな。良かったなぁ、あの世で仲良くなれる」


何でもないことのように軽い口調で言った。