どうすりゃいんだよ。
坂下を死なせたら駄目だ。それこそ誰も救われねぇよ。
と、ガラッと大きな音を立てて、入口のスライドドアが勢いよく開いた。と同時に、
「動くな」
聞きなれた声が、静かなリハ室に響き渡った。
あんた、何言ってんだよ。今正に死のうとしてるヤツに、銃口向けて脅して、一体何の意味があんだよ?
一瞬でも、助かったと思った俺がバカだった。
動きにくそうな黒のタイトスーツを身に纏い、気持ち悪いぐらいに整った甘いハーフ顔の男。
ハリウッドスターばりのセクシーさは、とぼけたことを言ったって、何ら霞むことなく……っておかしいだろ?
だがしかし、俺の焦燥なんかお構いなしに、兄貴はもう一度繰り返す。
「動くな、坂下――
――弾が外れる」
えっ、そっち? 『脅し』じゃなくて『お願い』?
その瞬間、銃声が二つ、ほとんど同時に轟いた。
坂下を死なせたら駄目だ。それこそ誰も救われねぇよ。
と、ガラッと大きな音を立てて、入口のスライドドアが勢いよく開いた。と同時に、
「動くな」
聞きなれた声が、静かなリハ室に響き渡った。
あんた、何言ってんだよ。今正に死のうとしてるヤツに、銃口向けて脅して、一体何の意味があんだよ?
一瞬でも、助かったと思った俺がバカだった。
動きにくそうな黒のタイトスーツを身に纏い、気持ち悪いぐらいに整った甘いハーフ顔の男。
ハリウッドスターばりのセクシーさは、とぼけたことを言ったって、何ら霞むことなく……っておかしいだろ?
だがしかし、俺の焦燥なんかお構いなしに、兄貴はもう一度繰り返す。
「動くな、坂下――
――弾が外れる」
えっ、そっち? 『脅し』じゃなくて『お願い』?
その瞬間、銃声が二つ、ほとんど同時に轟いた。



