肩にかかるぐらいのストレートの金髪を、後ろで一つに纏め、変な文字の書かれたTシャツに、ボトムは白のラインが入った緑ジャージ。その上に白衣を纏った背の高い男。
明らかに日本人じゃないとわかる色の瞳。端正な顔にはおよそ不似合な無精髭。知的に見えるはずのアイテム『銀縁メガネ』は、その本来の役目を果てしてない。
見覚えのあるその姿に、一瞬、自分の目を疑った。
どうしてコイツがここに?
秋場高広――
――兄貴の無二の親友でありながら、顔を合わせれば憎まれ口ばっか交わしている男。それでいて、お互いに寄せている信頼は絶大。
そっか、兄貴……ヒゲ(高広)に血清作らせたんだ。
「安心しろ。俺が来たからにはもう大丈夫だ……つってな?」
緊張感皆無で軽口を叩いて、ヒゲはニッと笑う。
相変わらずお前、無駄なことすんのが好きなのな、なんて言いながら、俺が決死の思いで開けた穴から右腕を突っ込み、窓のロックを解除した。
何だよ、この窓開くのかよ。
「おまっ、状況わかってんの? 今この中は、殺人ウィルスに汚染されてんだぞ?」
「それがどうした。こっちには俺様が作った血清があんだよ。感染なんか屁でもねぇわ」
ヒゲ……。お前ほんっとに科学者なんだな。
いつもバカにしてごめんなさい。
「兄貴のために、わざわざこんなとこまで……」
俺、感極まって口籠る。
「お前の兄ちゃんには一生分の借りがあるらしいからな」
ヒゲは何でもないことのように言いながら、カラカラと大窓をスライドさせて開けた。
明らかに日本人じゃないとわかる色の瞳。端正な顔にはおよそ不似合な無精髭。知的に見えるはずのアイテム『銀縁メガネ』は、その本来の役目を果てしてない。
見覚えのあるその姿に、一瞬、自分の目を疑った。
どうしてコイツがここに?
秋場高広――
――兄貴の無二の親友でありながら、顔を合わせれば憎まれ口ばっか交わしている男。それでいて、お互いに寄せている信頼は絶大。
そっか、兄貴……ヒゲ(高広)に血清作らせたんだ。
「安心しろ。俺が来たからにはもう大丈夫だ……つってな?」
緊張感皆無で軽口を叩いて、ヒゲはニッと笑う。
相変わらずお前、無駄なことすんのが好きなのな、なんて言いながら、俺が決死の思いで開けた穴から右腕を突っ込み、窓のロックを解除した。
何だよ、この窓開くのかよ。
「おまっ、状況わかってんの? 今この中は、殺人ウィルスに汚染されてんだぞ?」
「それがどうした。こっちには俺様が作った血清があんだよ。感染なんか屁でもねぇわ」
ヒゲ……。お前ほんっとに科学者なんだな。
いつもバカにしてごめんなさい。
「兄貴のために、わざわざこんなとこまで……」
俺、感極まって口籠る。
「お前の兄ちゃんには一生分の借りがあるらしいからな」
ヒゲは何でもないことのように言いながら、カラカラと大窓をスライドさせて開けた。



