チッ――
勝手な行動は慎めよ、イイ大人のくせによー。
咄嗟に坂下へと視線を戻す。ヤツにとってそれは想定内だったのか、全く驚く様子も見せず涼しげな顔で、銃を握った右腕をスッと下ろした。
一瞬、戦意消失か? って思ったけど……。
ヤツが空いている左手をジャケットのサイドポケットに突っ込むのを見た途端、背筋を冷たいものが伝った。
ウィルスはそこか。
咄嗟に叫んだ。
「坂下、俺に任せろ!」
何を? 何が? もう俺、何言っちゃってんの?
出入口付近で『動くな』と命じられていた俺。
もの凄い勢いでこちらに向かって来る佐村の、あまりの恐ろしい形相にちょっと怯むも、俺の横を通り掛かった瞬間に、その鎖骨辺りに全体重をかけたラリアットを決めてやった。
腕に凄まじい衝撃を感じた。と同時に鈍い大きな音と共に佐村が視界から消える。
目線を下に落とせば、背中を床に叩きつけられた佐村が、苦しそうに小さな呻きを漏らしていた。
「グッジョブ、有坂」
坂下がポケットから左手を抜き出し、こちらに向かって親指を突き立てて見せる。そこに何も握られていないことに、心底ホッとした。
勝手な行動は慎めよ、イイ大人のくせによー。
咄嗟に坂下へと視線を戻す。ヤツにとってそれは想定内だったのか、全く驚く様子も見せず涼しげな顔で、銃を握った右腕をスッと下ろした。
一瞬、戦意消失か? って思ったけど……。
ヤツが空いている左手をジャケットのサイドポケットに突っ込むのを見た途端、背筋を冷たいものが伝った。
ウィルスはそこか。
咄嗟に叫んだ。
「坂下、俺に任せろ!」
何を? 何が? もう俺、何言っちゃってんの?
出入口付近で『動くな』と命じられていた俺。
もの凄い勢いでこちらに向かって来る佐村の、あまりの恐ろしい形相にちょっと怯むも、俺の横を通り掛かった瞬間に、その鎖骨辺りに全体重をかけたラリアットを決めてやった。
腕に凄まじい衝撃を感じた。と同時に鈍い大きな音と共に佐村が視界から消える。
目線を下に落とせば、背中を床に叩きつけられた佐村が、苦しそうに小さな呻きを漏らしていた。
「グッジョブ、有坂」
坂下がポケットから左手を抜き出し、こちらに向かって親指を突き立てて見せる。そこに何も握られていないことに、心底ホッとした。



