坂下の言葉に、さすがの俺もカチンときた。
とぼけたこと言って敵を油断させるって、どんな策略だよ? ふざけんな!
坂下の表情がフッと緩む。
もしかしたら交渉が巧くいくんじゃないかって、そんな期待が膨らむ。
決して策略ではなかったけども、あいにく本気だったけども。
「こっちの条件を呑めば、患者は解放する」
坂下は薄く笑むと、落ち着いた口調でゆっくりとそう言った。
「いっ……いいだろう。言えよ、そっちの条件」
坂下はフッとまた薄く笑んだ。
嫌な予感がする。坂下のことだから、とんでもない条件を出してくるんじゃね?
「銃をこっちに投げろ。それから、そこを一歩も動くんじゃねぇぞ?」
意外にも在り来たりの要求に、少々拍子抜けはしたものの、心底ホッとしたのも事実。
素直に従い、腰からリボルバーを抜いて、坂下に向かって放る。床に落ちたそれはスルスルと滑っていき、坂下の足に当たって静止した。
ゆったりと半身を折って坂下はそれを拾い上げ、自分のウエストに差し込んだ。
とぼけたこと言って敵を油断させるって、どんな策略だよ? ふざけんな!
坂下の表情がフッと緩む。
もしかしたら交渉が巧くいくんじゃないかって、そんな期待が膨らむ。
決して策略ではなかったけども、あいにく本気だったけども。
「こっちの条件を呑めば、患者は解放する」
坂下は薄く笑むと、落ち着いた口調でゆっくりとそう言った。
「いっ……いいだろう。言えよ、そっちの条件」
坂下はフッとまた薄く笑んだ。
嫌な予感がする。坂下のことだから、とんでもない条件を出してくるんじゃね?
「銃をこっちに投げろ。それから、そこを一歩も動くんじゃねぇぞ?」
意外にも在り来たりの要求に、少々拍子抜けはしたものの、心底ホッとしたのも事実。
素直に従い、腰からリボルバーを抜いて、坂下に向かって放る。床に落ちたそれはスルスルと滑っていき、坂下の足に当たって静止した。
ゆったりと半身を折って坂下はそれを拾い上げ、自分のウエストに差し込んだ。



