ロシアンルーレットⅢ【アクションコメディー】

鼻腔を掠めるのは、真新しい血の匂い。それを頼りに、無機質な冷たい廊下を足早に進んだ。


突き当りまで来て必然的に足を止めた。右手には、小学校とかの教室を思わせるスライド式の扉。上部にはガラス窓があって、そこから中を覗き見ることが出来た。



俺の視界が捕えたのは、凄惨な光景――

――を想像させる、部屋の奥の壁に飛び散った赤い飛沫。


そこに何があるのか、ここからは確認できないけど……。



やっぱ銃殺か。

どうやら坂下、ここではウィルスをばら撒いてないらしい。



中からは生命の存在が全く感じられない。それほどに静か。生存者は多分、ゼロ。そして――

――――坂下もここには居ない。



手掛かりを失った。また一からやり直しだ。

非常に萎える。



取り敢えず、警察官としてやって来た俺は、現状を確認してから対処する必要がある。


気が乗らねぇけど扉を勢いよく開け、両手で銃を構えた。そうして素早く180度見渡した。



中は社員食堂みたいな作りになっていて、厨房とホールが隣接している。ダイニングテーブルと椅子は木製で、家庭的な雰囲気を醸し出していた。


というか綺麗に並んだままだということに違和感を覚えた。


争った形跡がない。なのに、部屋の奥の壁を所々染めた赤黒い液体。