ロシアンルーレットⅢ【アクションコメディー】

建物内は既にウィルスが蔓延しているかも知れない。


けど……。

躊躇っている暇なんかなかった。ないと思った。


もしまだ、ウィルスがばら撒かれていなかったとしたら、坂下が今正に、それを決行しようとしているとしたら。


それを今止められるのは俺だけだ。



入口の透明な分厚いガラス扉を押してみたら、いともあっさりそれは開いた。



施錠はされていないかった。


ということは、だ。

『施設のみんなで仲良くお出かけ』という可能性は消えた。



俺の気分は益々ネイビーブルー。

もうこれ、最悪の事態を覚悟した方が良さそう。


どうか子どもたちだけでも無事でいてくれ。



「お邪魔します」

取り敢えずはお決まりの挨拶を口にして、足を踏み入れた。


嗅ぎなれた嫌な臭いが俺の鼻を襲う。

硝煙の匂いと鉄の匂い。



銃殺か……?


ウィルスじゃないらしいことにはホッとするが、風穴の空いた死体が転がっているのは間違いない。そう思ったら激しく萎えた。