ロシアンルーレットⅢ【アクションコメディー】

このまま電話を切らずに署へ戻って、兄貴に電話を替わるよう伝えると、睦月くんは渋々同意した。



睦月くんは移動を始めたらしく、波の音が聞こえなくなってホッと胸を撫で下ろす。

取り敢えず、火サス展開は回避。



電話は繋がったままだ。たとえ面と向かっていなくても、沈黙はやっぱり気まずいもんで、俺の方から話し掛けた。


「坂下の目的は復讐だろ? けど、なんでわざわざこんな回りくどいやり方……もっと簡単な方法がいくらでもあるだろ」


「確かにそうだね」


睦月くんは何故だか他人事(ヒトゴト)みたいに同意した後、落ち着いた口調で話しはじめた。



「亮くんは『裁きは神がする』って言ってた」


「感染するか、抗体保持者になるか、それを『神の裁き』だって言いたいのか? イカレてんな」


「亮くんは敬虔なクリスチャンだからね。『その時、俺も裁かれる』とも言ってた」


「じゃあ……坂下は自分も感染するつもりか?」


「うん」