ロシアンルーレットⅢ【アクションコメディー】

けど兄貴は、どうも浮かない顔というか……。

何か重大なことを一人で抱え込んでいる時の顔だ。



「どうしたんだよ? これで蜂須賀が目的地を変える可能性はほとんど消えた。今からそっち向かうんだろ?」


言うと、兄貴はゆるゆると視線を俺に寄越し、微かに口を開いて何か言いかけるも、すぐに閉ざしてしまう。



「何だよ? 何か気になってることあんなら、言えよ」



やがて、兄貴は戸惑いがちに話し始めた。兄貴っぽくない不安定さに、よほど言い辛いことなんだとその場の誰もが悟る。


想像に過ぎないけど確信している、そんな感じだった。



「蜂須賀は――坂下亮人は15の時に児童養護施設を脱走、その時一緒だったのが、三人。坂下合わせて四人。坂下以外はすぐに発見され、施設へ連れ戻された。それが梶と……皆人、お前を狙って自爆した横山夏樹、それからもう一人……」


薬局で俺を襲ったヤツ、横山夏樹って言うのか。へぇー。