ロシアンルーレットⅢ【アクションコメディー】

蜂須賀は保護された施設で、職員から性的虐待を受けていた。

兄貴が梶から聞き出した情報だ。



けど復讐にしては手が込んでいる。もっと単純で簡単な方法はいくらでもある気がする。


蜂須賀みたいな頭のキレるヤツ……しかも免疫センターの研究員だ。完全犯罪だって可能なはず。

いや、断言はできないけど、そんな気がする。



それに。


「当時の職員なんて、未だに働いてるかどうかも怪しんじゃねぇの? そんなんで復讐になんのかよ?」

一番腑に落ちないのはここだ。


けど兄貴は、

「職員、数名の入れ替わりはあったが、虐待の首謀者は現在施設責任者だ」

淡々と答えた。



「そんな変態野郎が、責任者?」

信じられない事実に、思わず聞き返せば、


「まあ、世の中そんなもんだ。レイプの多くは被害者が口を閉ざす。表に出て来ないものがほとんどだわな」

谷口さんが、さも全てを熟知しているかのように、偉そうにのたまう。