ロシアンルーレットⅢ【アクションコメディー】

「チワワくんだ」


思わず俺が叫ぶと、谷口さんが物凄い速さで俺の隣へやって来た。そして、窓から外を覗き見てそれを確認すると、小さく舌打ちをした。



やっぱ、何か知っている。

というか、また谷口さんたち、何かやらかそうとしている、俺に内緒で。



とにかく、チワワくんの無事を確認しないと。


まだ俺、あいつに借りを返していないしね、『ドライバーで串刺し』とか、『チューの宅配』とかの。

その前に死なれたら、一生悔いが残るし。


カーテンを除けて、大部屋の出入り口へ向かって走り出せば、左前腕に激痛が走る。
見ると点滴針が刺さっていた。


「クソッ」

毒づきながらも、ベッドサイドへ引き返し、点滴棒からパックを外して手に持ち、再び走り出した。


頭上にそれを掲げながら。