ロシアンルーレットⅢ【アクションコメディー】

その時、けたたましい救急車のサイレンが聞こえた。それは急激にボリュームを増し、そして鳴り止んだ。



「この病院、救急車良く来るなぁ」

谷口さんがボソリと零す。



俺はなんとなく気になって、ベッドから窓際へと降り立ち、窓越しに外を見下ろした。


ちょうど、救急車から病院内へと、患者が担架で移送されている真っ最中だった。

担架の上で、苦しそうに顔を歪めている男に見覚えがあった。



チワワくんだ。



石原雅(ミヤビ)、ホスト兼政府の工作員(兄貴のパシリ)、爆破のスペシャリスト、子犬のような可愛らしい顔からは想像もつかないデンジャラスボーイ。


通称『破壊の天使』。

……ってコレ、今俺がつけた。