独りきりで署に戻った。 谷口さんは蜂須賀を追跡中だし、兄貴は一課に用意させた車に乗り込み、そして―― 消えた。 俺はあれ以上、何も言えなかったし、兄貴も何も言わなかった。 もしかしたら、今度兄貴に会う時は、話なんか出来ない状態かもしんねぇのに。 兄貴は、 目さえ開けてくれないかもしんねぇのに……。 相変わらずクソだな、俺。