どうせ少女は死ぬのに……。
救急班来るまで命繋いで、それまで苦しめって言うのか?
「救急班は間に合わねぇよ。兄貴、頼むからもう……」
「皆人。苦しんでる彼女を見るのが辛いか? 蜂須賀はウィルスを持ってる。血清がなきゃ、もっと大勢が苦しむことになる。
いい加減、自分を甘やかすのはやめろ、皆人」
兄貴は俺の方を見ないからどんな顔しているのかわからないけど、その冷ややかな物言いからは、俺への失望が滲み出ていた。
「ふざけんな! 俺がこんなんなったのは、母さんやあんたが甘やかしたせいだろ?」
躍起になって言い返した。
「しっかりしろ! まだだ、まだ死ぬな」
兄貴は俺の言うことなんか、聞いちゃいない。今、正に逝こうとしている少女を、呼び戻すことに必死だ。
救急班来るまで命繋いで、それまで苦しめって言うのか?
「救急班は間に合わねぇよ。兄貴、頼むからもう……」
「皆人。苦しんでる彼女を見るのが辛いか? 蜂須賀はウィルスを持ってる。血清がなきゃ、もっと大勢が苦しむことになる。
いい加減、自分を甘やかすのはやめろ、皆人」
兄貴は俺の方を見ないからどんな顔しているのかわからないけど、その冷ややかな物言いからは、俺への失望が滲み出ていた。
「ふざけんな! 俺がこんなんなったのは、母さんやあんたが甘やかしたせいだろ?」
躍起になって言い返した。
「しっかりしろ! まだだ、まだ死ぬな」
兄貴は俺の言うことなんか、聞いちゃいない。今、正に逝こうとしている少女を、呼び戻すことに必死だ。



