エレベーターの扉がゆっくりと閉まり、蜂須賀の薄笑いは呑み込まれた。
すぐさま兄貴が背後の部隊を振り返って、
「撤退しろっ! 急げ!」
もの凄い大声で叫ぶ。
部隊は弾かれた様に踵を返し、こぞって走り出した。ガラスが砕け散って無数に開いた穴から、順々に脱出する。
何がどうなってんのかさっぱりわかんねぇ。俺も逃げた方がよさげな感じ?
兄貴も少女を脇に抱えて出口へ向かう。けれど、その場にただ立ち竦む俺に気付いて、ふと足を止めた。
「皆人! 何、ボサっとしてんだ! お前も早く……」
と、二階のエレベーターが開き、俺の視線は無意識にそちらへ行く。兄貴もそれを追うように振り返った。
一階ロビーは吹き抜けになっていて、二階はコの字に通路があるだけ。その通路沿いに扉がいくつかあり、扉の向こうはどこかへ通じているのか、もしくは部屋があるのか。
俺には知る由も無い。
すぐさま兄貴が背後の部隊を振り返って、
「撤退しろっ! 急げ!」
もの凄い大声で叫ぶ。
部隊は弾かれた様に踵を返し、こぞって走り出した。ガラスが砕け散って無数に開いた穴から、順々に脱出する。
何がどうなってんのかさっぱりわかんねぇ。俺も逃げた方がよさげな感じ?
兄貴も少女を脇に抱えて出口へ向かう。けれど、その場にただ立ち竦む俺に気付いて、ふと足を止めた。
「皆人! 何、ボサっとしてんだ! お前も早く……」
と、二階のエレベーターが開き、俺の視線は無意識にそちらへ行く。兄貴もそれを追うように振り返った。
一階ロビーは吹き抜けになっていて、二階はコの字に通路があるだけ。その通路沿いに扉がいくつかあり、扉の向こうはどこかへ通じているのか、もしくは部屋があるのか。
俺には知る由も無い。



