ロシアンルーレットⅢ【アクションコメディー】

あいつら……。

中に味方が居ること、ちゃんとわかってんの?



手荒な方法で銃撃から俺を守ってくれたのは谷口さん。すぐ横に俺と同じ様に腹這いになっている彼に、

「これって、打ち合わせしてあったの? だったら最初から俺にも伝えとくべきだろ?」

不満をぶつければ、

「打ち合わせなんかしてねぇわ、バカ皆人。流れを読め、流れを!」

と。いつものバカ呼ばわりだ。


ムカつきます。



「どうなってんの? 何で銃撃始まったんだよ? 俺、訳わかんねぇ。どうか教えて、谷口さま」

開き直って、モヤモヤの原因になっている疑問、全てを吐き出した。



「ここの音声も映像も、俺が司令塔へ飛ばしてんだよ」

谷口さんは腹這いのまま白衣の左胸辺りを摘まみ上げ、その胸ポケットを俺に見せる。


そこには、気持ち太目の万年筆が一本さしてあった。