ロシアンルーレットⅢ【アクションコメディー】

それは放物線を描きながら、俺たちの数メートル先に向かって飛ぶ。

蜂須賀が弾かれたように走り出した。



生きていることに感謝する間もなく、

「伏せろ、皆人!」

背後から突き飛ばされ、腹をツルツルした床に思い切り打ち付けた。



「うっ……」

思わず漏れ出た呻き声は、ガラスが砕ける音に掻き消された。それは立て続けに鳴り響く。



本当に、全てが一瞬の出来事で。

思考が全く追い付かない。



恐る恐る顔を上げてみて、何となく状況を把握する。

うちの狙撃班が外を取り囲んでいて、無数の銃弾が撃ち込まれている。