ロシアンルーレットⅢ【アクションコメディー】

「あいつらは漆原が呼んだ。ヤツは俺を100パー信用してる訳じゃねぇからな。要は俺に見張りを付けた訳だ」


「太郎くん……漆原を裏切るのか?」


「はなっから利用する為に近付いただけだ、裏切るも何もねぇよ。誰が好んで、あんなブタオヤジのパシリなんかやるかよ」


太郎くんは、肩を揺らして愉しげに笑う。



ということは、だ。


太郎くんは儲けを独り占めするつもり……なのか?

けど研究者は太郎くん以外、明らかに全員死亡だ、血清作るのって一人で可能なの?



「寄越せ」

俺から銃口を外さず、太郎くんが谷口さんに向かって左手を差し出した。

不満げに舌打ちしつつも、谷口さんはそれに従い、手にしていた銃を渡す。