ロシアンルーレットⅢ【アクションコメディー】

半身を起こして呆然としている俺のこめかみにヒタと、固い物が触れる感触。

何度も経験したからわかる、間違いなくそれは銃口。



さすがの野獣谷口も動揺してか、太郎くんに一歩出遅れ、銃口を抜いたが構えるまでには至らなかった。



「気を緩めんなっつったのに、クソッ……」

苦々しく言って、谷口さんは顔を歪めた。



「太郎くん、君のお仲間、木端(コッパ)だよ? 何考えてんだよ?」

彼の気に障るようなことを言わないよう、慎重に言葉を選びながら問う。


一体全体何がしたいんだ、太郎くんは。さっぱり読めないし。



「仲間なんかいらねぇ。邪魔くせぇ」


「だったら最初っからここに呼ばなきゃ良かったんじゃね? そしたら彼らも死なずに済んだ、だろ?」