ロシアンルーレットⅢ【アクションコメディー】

太郎くんは相も変わらず涼しげな貴公子顔で、俺の背後、やや上方に視線をやると、

「そろそろモノが到着する頃だ。受け取って来る」

流暢な日本語でそう言った。

けどまぁ見た目はああでも、日本生まれの日本育ちなんだろうけどね。



「お前ら、一緒に来い」

太郎くんは俺と谷口さんに向かって吐き捨てるように言う。


何だよその上から目線の命令形。

ムカつくわー。



谷口さんは「はい」と模範的な返事をし、太郎くんの後について歩き始めた。

仕方がないので俺も渋々従った。



谷口さんがだんまりを決め込んでいるので、俺もお口はチャックだ。

下手に動いたら命取り。今俺にわかるのは、それぐらいだ。