ロシアンルーレットⅢ【アクションコメディー】





蜂須賀だ。




道理で見覚えがあるはずだ。


忘れるはずがない。死に損なった俺を見て苦々しく舌打ちし、そうして物も言わず去って行った背中だ、忘れる訳がない。


てか、すぐに思い出せよ、俺っ!



隣の谷口さんの左足に、俺の右足を小さく左右に動かしながら、他の奴等に気付かれないようコツコツと何度もぶつけた。


どうすんだよ? どうすんの? 谷口さん!



足の甲にガツンと踵を落とされ、俺の右足の左右運動は止まる。

というか動けなくなった。あまりの痛みで。