ロシアンルーレットⅢ【アクションコメディー】

「そっちは現役か、優秀だな。頭良さそうには見えないが……まぁ、そういうヤツに限って恐ろしく要領はいいからな」

言って熊男は、愉しげに肩を揺らして笑った。


熊男め、何言ってくれちゃってんだよ。俺こう見えても、奥さん居る身ですしねっ!



ああでも医学部って。

そういえば6年制だ、あながち見当違いなこと言ってるでもないか。


だとしたら、『谷口5年浪人説』もギリイケる感じ? まぁどうでもいいけど。



部屋には熊男の他に4人。メガネの痩身と、七三分けのデブ、猿みたいな坊主頭のチビ。


そして――

部屋の隅でこちらに背を向け、コーヒーメーカーのポットを手に、カップにコーヒーを注いでいる男。