ロシアンルーレットⅢ【アクションコメディー】

「はい」

スピーカーから男の声が答える。


「学生アルバイトの前橋です」

上部のカメラに向かってニッと微笑みながら谷口さんは言った。


気持ち悪い……。



「佐々岡も一緒か?」

「はい、一緒です」

谷口さんが答えると、扉が静かに左方向へスライドして開いた。



中は休憩室みたいな場所だった。研究者の控室か何かか?



「お前……ほんとに学生か?」

インターホン越しに対応した人物らしい、モッサリとした熊みたいな大柄の、白衣が全く似合っていない男が、谷口さんを見るなり怪訝そうに尋ねた。