ロシアンルーレットⅢ【アクションコメディー】

「お前と二人でそんな大それたこと出来るかよ。龍とならまだしも。

蜂須賀たちは、きちんと編成された対テロ部隊が取り押さえる。小回りの効く俺たちは、そのフォローに徹する。

要は、部隊がしくじった時のための保険だ」


「全く意味がわかりません。僕、ちょっぴりおバカさんだから」


「物の尋ね方、学んだようだなぁ、皆人」


満足そうに微笑む谷口さんを、心底ウザいと思った。



「まぁあれだ、部隊が失敗してウィルスが世に出回った時の為に血清を入手しておく訳だ」

またシレっと何でもないことのように言う。

谷口さんはバカなんじゃないの? 俺以上に。



「チョー重要任務じゃん! その上、ミッション・インポッシブルじゃねーか」

動揺しまくって騒ぎ立てる俺に、

「重要じゃねぇ任務なんてあんのか?」

と。自信満々の笑みを見せた野獣谷口は――

ムカつくぐらい格好良かった。