ロシアンルーレットⅢ【アクションコメディー】

数時間後、目的地に到着。

辺り一面田畑ばかりの山の麓に、それは威風堂々と誇らしげに存在した。



車は随分手前で降りて放置。

という訳で、昨夜一睡もしていないというのに、哀れ俺は数キロを歩かされたのだ。



谷口さんは迷うことなく建物の裏へと回る。何の説明もされていない俺は、ただ黙ってその背中を追うのみ。



従業員用の出入り口っぽい自動ドアの前で、谷口さんは上着の胸ポケットから何かを取り出した。


タバコだ。

こんな時まで呆れるよ。