ロシアンルーレットⅢ【アクションコメディー】

「当たり前だろ。死ぬかも知れねぇなら任務放棄すんのか? てめぇ、どんだけちっちぇえ心意気で仕事してんだよ? そんなんだったら辞めちまえ」


物凄い勢いで怒鳴り返された。



ああ……。

逆鱗に触れちゃったし。


どれが地雷だったのか、さっぱりわかんねぇけど。多分踏んじゃったんだな、俺。



けど谷口さんは、フッと穏やかな表情をその横顔に浮かべ、

「皆人、お前のことは俺が守る。お前死なせたら俺が龍に殺されるからな。

いいか? 一瞬でも気を緩めるな。緩めたら終わりだと思え」


宥めるように気持ち悪いぐらい柔らかい口調でそう言った。



一瞬たりとて気を緩めない。


それが俺にとってどれほど困難なことか、谷口さんはわかっていない。



やっぱ髭剃り持ってこれば良かったなぁと。今再び、しみじみ思った。