ロシアンルーレットⅢ【アクションコメディー】

四人は成すすべなく重そうに身体を持ち上げ立ち上がった。


「並べ」

谷口さんが命令口調で言うと、四人は素直に従い谷口さんの盾となった。



兄貴は四人に向かって銃を構えたまま微動だにしない。


蜂須賀の銃口は俺のこめかみに触れるか触れないかの位置に。


残る漆原が、さっきまで俺が座っていた運転席に乗り込んだ。

脂ぎったオヤジと間接尻(ケツ)かよ、気分悪ぃなぁ、おい。



「おい、車は置いていけ」

完全に谷口さんの手中に収まっているというのに、往生際の悪い一人が慌てて叫ぶ。


「はぁ? お前らに帰りの足は必要ねぇよ」

蜂須賀が失笑しながら言った。


まぁそうだろうね。

こいつらこの後、署に直行だし?