ロシアンルーレットⅢ【アクションコメディー】

「そのオッサンが言ってること本当かもだぜ。俺、その人知らねぇし?」


仕方がないから、谷口さんのハッタリに乗っかってやる。


「誰がオッサンだ!」


だが野獣谷口は、俺に向かってデカい声で怒鳴りやがった。


助け舟を出してやったのに。というか今、そんなちっちゃな悪口に一々気分害している場合か?



車挟んだ向こう側に立って居る兄貴を盗み見れば、微塵たりとも表情変えず、涼し気な顔を維持している。


さすがだ。



「てかさ、その辺り、どっかのクソ犬がウンコしまくってるしね。気を付けた方がいいよ。その高級そうな靴、台無しにしたくないだろ?」


はぁ~という兄貴の深い溜息を聞いたが気にしない。