ロシアンルーレットⅢ【アクションコメディー】

「君、誰?」


本人に聞くのが一番手っ取り早いってことで、取りあえずは職務質問。


途端、少女の両目から涙が勢いよく溢れ出し、泣きじゃくりながら喚きだした。

慌てて人差し指を口に当て、「しーっ、しーっ」と言ってみるも、全く効果がない。



少女の話す言葉は、日本語でも英語でもなく、何を言っているのかさっぱりだ。



堀の深い顔立ち、暗闇のためはっきりしないが、多分肌は浅黒い。それに、服装もなんだか古臭い。

東南アジア系か?



チャキッ――



4っつの銃口が一斉にこちらに向けられた。



チッ。


少女が騒ぐもんだから、敵に気付かれちゃったし。