ロシアンルーレットⅢ【アクションコメディー】

途端、車のライトが消え、再び辺りは完全なる闇に包まれた。


そして、車のドアを開閉する音が響き、誰かが降りて来たのだと悟る。



まずいぞ。



けど、俺のせいじゃないしね。

全ての発端は、俺の隣に居るこの野獣谷口だ。



「俺がやつらの気を引く。その隙に、お前は車からモノを持ち出せ」


「えー」


不満全てを詰め込んで吐き出せば、「皆人、お前は『やればできる子』だ、違うか?」と、まるで子どもを宥めるように優しく言う。


そんな子ども騙しにのせられる俺じゃないし。と、心では反発するも、


「はい、まぁ、そうですけど」


などと答えている素直でかわゆい俺。



ああ……。