雨宿り




「何かあったん?百合ちゃん」

私の部屋は6人。

私達の班3人と、渉の班の女子3人。

「うん…」

百合ちゃんは何か言いにくそう。

同じ班の女子2人が

「うちら、他校の学生に絡まれたんや」

「えっ?」

「ちょっとガラが悪そうな奴やったんやけど…時枝君達といた時は大丈夫やって、トイレに行ったら待ち伏せしとったんや」

「大丈夫やったか?」

「うん、遅いから時枝君達が見に来てくれて…助かったわ」

「美桜ちゃん、里ちゃん、あんたらええ彼氏いてええなぁ」

「はい?」

喧嘩でもしたんやろか。

私の顔色を見て、百合ちゃんが慌てて

「喧嘩してへんよ。てか、喧嘩にならへんかった」

はぁ?

「時枝君が睨み効かして『何してんじゃ、こら。女に手だすな。やるんか?』って言ったら相手の方ビビってもうて逃げて行った。関西弁が怖かったんかなぁ」

「は、はぁ」

「小関君も本田君も私らを庇ってくれて、いざとなったらやる気やったんちゃうか」

里ちゃんと顔を合わせ

「はぁ」

しか出てこやへん。

そう言うたら夏に海行った時も…啖呵を切ってたな。

渉って喧嘩強いんやろか…

その時、スピーカーから夕食のお知らせが流れた。

みんな宴会場へ

私達の班は渉の班と一緒。

賑やかに夕食が始まった。

人が多いから渉とゆっくり話しが出来ひん。

まぁ、後の自由時間に話せばいいか。