「時枝、感激しとらんと、もう本番やで」

あっ、そうや。

これからやん。

「みんな頑張ろう」

演出家?が掛け声かける。

「オー!」

「美桜、行くで」

「うん」

本番スタート

――



いよいよクライマックス。

ジュリエットが死んだと思って俺が毒薬を飲むシーン。

お別れにキスをする…

『マジでしたら殺す』

なんて物騒な言葉頂いたけど

委員長が舞台に出ただけで、見物してる野郎共が

「めっちゃ綺麗やん」

「あんな子いたか?可愛い過ぎる」

とか

う、煩い。

美桜は、悪いけど俺のもんやねん。

誰にも渡さん。

美桜の言葉なんか忘れて

軽くキスをした。

死んでるはずの美桜が、ビクッと震え頬が真っ赤に染まった。

俺が死んで、目覚めるジュリエット。

剣を突き刺して自害する前にロミオにキス

!!!

マジで…された。

薄目を開けて美桜を見ると

悪戯ぽくウインク!

俺…死んでるのに顔が赤いやん。

俺から離れ剣を突き刺し俺に覆いかぶ さって死ぬ。

「ワー ワー」

「いいぞ~」

幕が降り凄い歓声が聞こえてきた。

「お二人さん、お疲れ」

「よかったで」

クラスの奴らに褒められ無事終了。